CAE:そのリブ、必要ですか?
- SANKO GOSEI
- 2023年1月19日
- 読了時間: 2分
構造解析により応力集中箇所が判明した場合、対策としてリブを追加することで
応力集中を分散させようとします。

しかし、リブの追加は必ずしも応力を分散させる作用があるとは限りません。
例えば、L字モデルで応力集中箇所に対して三角リブを追加して応力を分散させようとしたところ

リブを追加した境界に応力集中してしまい、対策前よりも応力ピーク値が上がってしまっています。これは、追加した三角リブの設定が不適切であることがいえます。

こちらは、三角リブの大きさを見直した結果になります。最大応力のピーク値が下げることが出来ました。
不適切な形状の付加は逆に応力を集中させる因子となる場合があります。
しかしそれらは拘束条件や製品形状によって予測を難しくさせています。
製品設計を行う際はCAEによる構造解析も同時並行で進めないと設計を効率化することは難しいと言えます。
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有限要素法による解析では特異点の応力評価に注意が必要です。
今回の場合、応力集中係数が無限大のポイントで応力評価してしまっているので不正な評価となっています。
・なぜ不正なのか
応力集中係数が無限大の箇所の発生応力は文字通り「無限」です。有限要素法による解析の場合、解析精度を上げていくと正しく評価できている個所はある一定の応力値に収束していきますが、応力集中係数が無限大の箇所では発散します。
つまり、解析精度を操作することで(解析結果の上では)いくらでも好きな応力値にできてしまう箇所で強度を比較していることになります。
・どうすればよいか
①解析をおこない、最大応力発生個所とその値を確認する。
②解析精度を上げて同じ解析を何度かおこない、最大応力が収束するかを確認する。
③収束しなかった場合、その箇所が角であった場合はその個所にRをつける。
その後、①,②の手順を行う。
なお、Rのサイズはリブサイズと同様重要な設計パラメータです。正しく解析できるようにするとともに適切なサイズにすることで発生応力をある程度緩和できるパラメータです。
(Rを付けることで応力集中係数が有限の値となるため。また、Rが大きいほど応力集中係数は小さな値になる。)
・補足
解析を行う回数は材料力学や有限要素法を知ることである程度減らしたり目算を立てることが出来るようになります。
ただし、どんなに簡単な解析でも2~3回で正しい結果が得られることはほぼありません。
1回は解析結果の妥当性を確認していないので論外です。
すいません。
そのリブの応力値は特異点をひろってるだけだと思います。
現に、リブと柱の交点付近のメッシュは、かなりゆがんでいるかと思います。
応力評価に不適切な箇所だと感じます。