今や製品設計/検討にはCAEによる事前のシミュレーションが当たり前になってきました。
お客様の中にはCAE結果で見通しが立たなければ金型作成を拒否される場合もあり、如何に重要なプロセスであるか実感させられる時もあります。
しかし、CAEで導出される結果というのは設計者が望む結果と異なる場合もあります。
例えばそり解析で製品の変形を評価したい場合
上の図は全体座標系から見た、ソリ解析結果のコンター図になります。ソリ変形が最も大きい箇所は赤色で表示される。このコンター図表示ではB付近はそれほど製品が変形していない様に見受けられます。
一方下はAの締結穴で基準面に合わせたときのコンター図になります。
製品の形状は変わっていないにも関わらず、B付近のコンター図に大きな違いが見られます
これは変形後の製品の基準をどこに取るかで、製品の「みかけ上」の変形量が変わってしまうことを意味します。
樹脂製品はアセンブリして使うことも多く、変形量によってはAで最初に相手部品へ締結できても、Bでは締結できない可能性があります。
つまり、CAEで得られた結果に対して設計思想に一致した基準面を設けて評価しなければ我々が知りたい結果を知ることが難しくなります。
弊社では、CAEの結果に対しあらゆる方法で基準面を設けて評価してきました。
その結果、多くの知見と金型製作に利用できるレベルまでノウハウを蓄積することが出来ました。
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