樹脂部品の設計を行う際には使用する樹脂の機械的特性を知っておく必要があります
特に構造部品として利用する場合、使用する材料のS-S曲線(応力-ひずみ曲線)を知らなければ
使用中に破壊が発生する可能性もあります。
以下は非強化プラスチックにおける代表的なS-S曲線図になります。

図1.非強化プラスチック
弾性領域とは、応力を除しても元(ひずみ量が0に)戻る領域を意味します。
塑性領域とは、応力を除しても元に戻らない(ひずみ量が残ったまま)領域を意味します。
例えばプラスチック製下敷きを軽く曲げても真っ直ぐに戻りますが、強く曲げてしまうと下敷きが白化したり、曲がったままになってしまいます。
これは強く曲げたことで下敷きが塑性領域まで変形してしまったことを意味します
非強化樹脂の多くは弾性領域を超えても塑性領域があるので材料強度を超える応力が発生しても直ちに破壊に至ることは少ないです。
では、繊維強化プラスチックの場合はどうなるかというと

図2.強化プラスチック
塑性領域はほぼなく、破壊強度まで応力が到達すると直ちに破壊に至るパターンが多いです。繊維強化プラスチックは繊維の物性が加味されるため、非強化プラスチックよりもヤング率が高い傾向にありますが破断ひずみ量が低くなります。
繊維強化プラスチックはその高いヤング率から金属の代替え材料として検討が盛んですが
想定の範囲外の荷重やストレスが加わった際に破壊に至りやすいので、使用環境や安全率の設定について十分に検討する必要があります。
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