樹脂の多くは弾性領域と塑性領域の物性を有しており、S-S曲線で表すとしたの図のようになります。
弾性領域では応力を除してもひずみが0に戻るので線形な挙動になりますが
塑性領域では応力を除してもひずみは0にならないので非線形な挙動になります。
構造解析で非線形領域の計算を行うためには材料物性の入力が必要ですが
非線形領域の物性を入力するには応力ポイントごとにひずみ量を入力する必要があり、大変です。また、計算時間も長くなってしまいます。
そこで、材料物性の入力を簡素化するために、2直線近似と呼ばれる手法を使って計算時間を短くします。
これは、降伏点から破断点までの樹脂の物性を1本の直線(接線係数)に置き換えてしまうやり方です。実際のS-S曲線とは異なる値で入力するので実試験結果とは若干差が出てしまうことが難点ですが、要素数が多く、計算規模の大きいモデルでざっくりと設計値を確認するにはうってつけの方法と言えます。
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