前回、切削加工効率を上げるために回転数や送り速度といった切削条件を見直すことで切削加工効率を上げる方法をご紹介しました。
今回は切削工具・機械を見直すことで切削加工効率を上げる方法をご紹介します。
弊社で仕上げ加工に使われているエンドミルは2枚刃ボールエンドミルになります
これは刃が2つ付いたエンドミルですが、この刃数を4,6へ増やすことで送り速度が上げられないか検討します。
基本的に仕上げは3軸加工機で加工を行いますが、同じ加工機、送り速度200%で
2枚刃➡4,6枚刃に変更しても仕上がりは良くなるどころか悪化してしまいます
その理由として3軸加工機では主軸は垂直で加工されています。エンドミルは先端がボール状になっているので先端に行くほど刃が無くなっていきます。また、回転速度も先端に行くほど下がっていきます。つまり、工具が回転しないまま切削面を引きずることになるので
表面がガサガサになってしまいます。
そのため、先端加工を防ぐために主軸を傾けて加工ができる5軸加工機での加工が必須となります。
更に、2枚刃は刃のすくい角がポジティブの場合が多く、逆に4枚、6枚刃はネガティブとなります。そのため、4枚、6枚刃の場合は工具回転数を高速にする必要があります。
つまり、エンドミルの刃数を増やして切削加工効率を上げるには
①先端加工を防ぐために工具を傾けて加工できる5軸加工機である必要がある
②刃のすくい角がネガティブになるので回転数も上昇させる必要がある
といえます。
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