弊社は金型製造並びに金型を使った樹脂製品の製造販売を行っていますが
試作品やモックアップで製品形状を確認するためだけに金型を起工することは極稀です。
最近では家庭用でも樹脂の3Dプリンターが普及しており、制約条件はありますが、簡単な樹脂部品であれば造形することが可能です。\
ですが、一般的に普及しているLPD(熱溶解積層方式)での造形において大物を造形時にソリ変形が発生しノズルの接触➡造形ストップしてしまうこともあります。
これは樹脂の3Dプリンターだけでなく金属3Dプリンターでも同じようにソリ変形により造形がストップすることもあります。
ソリ変形の大きさは樹脂の収縮率に大きく関係し、よく使用されているABS樹脂は比較的収縮率が大きいのでソリ変形が発生しやすいといえます。
更に製品肉厚が3mm以下の薄さになると変形もより顕著に発生します
造形失敗
これらの対策として、ソリ変形が発生するときは積層平面の面積が大きいほど収縮による変形が大きいため、積層平面を小さくすることが挙げられます。
造形成功
上記は製品を傾けて造形しています。これにより積層平面を小さくすることができるので
ソリ変形を抑えて造形することができます。当然ながらサポートが必須となるので製品形状に適したサポートも設計する必要があります。
この他にも造形するプラットホームを使用材料と同じ材質で塗装しておくことも変形抑制に効果があります。
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