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成形収縮異方性の分布と製品変形の関係のモデル

更新日:2023年11月23日

射出成形において、樹脂と金属とでは、線膨張率が樹脂の方が大きいため、金型彫り込み寸法に対して成形品が小さくできあがり、見かけ上収縮したように見えることから、「成形収縮」と呼ばれる現象が起こる。成形収縮は、樹脂の金型内流動方向とそれに直交する方向ではその大きさが異なることがわかっており、成形収縮に異方性があることが知られている。これは、成形品の金型内の固化過程における成形品内で起こる固化層成長とその剛性による影響と、樹脂が高分子でできていることから分子自体が持つ異方性という2つの点が大きく影響していると思われる。さらに、成形収縮異方性は、成形品内で同じではなく成形品内の場所によって異なるという実験結果を得ている。

図1. a):金型内の初期形状、b):変形のためのマトリックス


 成形収縮異方性が成形品内で分布すると成形品が変形する。図1に平板を成形する金型があったとき、平板成形品に成形収縮率分布と成形収縮異方性という現象の有無によってどのような形になるかを模式的に示す。図1a)に示す長方形の平板は、3つの正方形の部分から形成されるとした場合、成形収縮に異方性があるという事は、正方形の部分が長方形に変形するという事である。成形収縮は、正方形に対応する各長方形の部分の面積の変化として表される。また、異方性に分布があるという事は、成形品内で長方形の向きが場所によって変わるというモデルが考えられる。ここで、成形収縮の異方性に成形品内の分布が存在する場合、その成形品の外周部分の直線部分は直線ではなくなると考えられる。


 この1枚の板のモデルは、外周が曲線を描くだけなので、図1で成形品のそり変形を表すことには無理がある。

図2. 収縮異方性の分布がある2枚の板を張り合わせた製品の変形パターン


図2に成形収縮異方性の製品内分布がある板2枚で構成される製品があった場合の模式図を示す。2枚の板は1つの稜線を共有する必要があるので、成形品として大きく変形する様に見える。わかりやすいように、図1に示す様な成形品を構成する部分の変形を示す長方形を描いた。この様に考えることで、よくある、「鞍型(くらがた)のそり」といわれる成形品が反り返ったような形状となる。

 成形収縮異方性の成形品内分布は、成形条件によって変化する事から成形条件によって獲られる成形品のそり変形形状が変わる事もわかる。


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