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残留応力による歪みと冷却不均一変形対策の解説

射出成形はゲートから金型キャビティに流入する溶融プラスチックが流動しながら固化するので、成形品内部に残留応力として歪みが存在することは避けられない。

この歪みは成形品が金型から離脱して自由状態になった時、歪みを開放しようとする方向に働き変形、「そり」の形になって表れる。成形品に大なり小なりこの傾向はあり、出来るだけこの残留応力を小さくすることが変形を防止する手段といえる。

その他の変形の原因は冷却の不均一によるもの、成形条件の不備などがある。

ここでは、変形の主原因である残留応力による歪みと冷却不均一変形対策について解説する


①溶融プラスチックの流れで発生する残留応力に起因するもの

 射出成形のプロセスは金型内で材料を流動させながら冷却固化させるので、流動にともなう剪断応力と射出応力による圧縮応力が固化にともなって残留する。

流動による分子配向などの方向性のために収縮は直角方向より流れ方向の方が大となる。

したがって理論的には射出成形法は非常に強引な加工法であり、歪みの皆無は考えられないので出来るだけこの傾向を緩和する条件で成形すべきである。このためになるべく低圧で楽に金型に材料を充填させて残留応力を最小限度に押さえること、およびリブを上手に配置して変形を積極的に防止するのがコツと言えます。


②成形品各部の冷却不均一に起因するもの

 成形品の一部の冷却が遅れるとその部分の冷却収縮がすでに固化した部分を変形させてしまう。その典型的な例が箱型の変形である。金型は一般的にキャビティ側は冷却しやすくコア側は周囲を溶融プラスチックで囲まれるので冷却効果が悪く、固化に遅れがちになり壁は内側に向かって倒れる傾向となる。

                図1 箱物の変形


図1は箱の断面の一部である。(b)の図は改良後の形であり、歪みの対策、冷却対策補強策を施している。歪み対策具体的に説明すると以下の通り

 ①出来るだけ薄肉部を作らない

 ②流れの急な方向転換を避けRをつけて流れを容易にする。

Rの効果は単に溶融材料の流動をよくするばかりでなく、Rを大きくとると変形しやすい

平面部が減少し、総体的に成形品は変形しにくい形となる。変形しにくい形はプラスチックに限らずすべてのものに共通で、圧力容器の鏡板のように球形のものは特に内外力に強い。

変形防止のリブは「ひけ」の項で説明したように、薄く、高さも低く、数で効果を出すようにした方がよい。

                図2 変形防止改善例


図2は箱形の断面形状を倒れに強い形とし、底部に溝を入れて残留応力の分散を図った例である。写真1は家電製品ケースのコア側でリブは薄く低く、セルフタップねじ取り付けコラム(ボス)は高さを出来るだけ低くし、出来ない場合は補強をして使用中の折損帽子をした例である。

                写真1 リブの例


続く

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