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成形条件における成形収縮率の違い

更新日:2022年12月21日

射出成形は、製品形状に加工された金型内に溶融した樹脂を流し込み、冷却、固化させることにより成形品を取り出す一連の工程が繰り返される。このとき、金属がプラスチックに比べて線膨張係数が小さいことから、金型の加工寸法に比べて成形品が見かけ上小さくなる成形収縮と呼ばれる現象が起こる。金型加工寸法とそれに対応する製品のそれとの差である成形収縮量は、プラスチック材料の種類や含有物の種類や量によって異なる。ここでは、成形条件による成形収縮を議論することから、成形収縮の成形条件依存性を議論する。成形条件には、樹脂温度、金型温度、充填時間、保持圧力、冷却時間など多くのパラメータが存在する。たとえば、充填時間を変化させたとき、溶融樹脂温度は、金型に流入する際のせん断発熱によって変化することが考えられる。この図は、同一の成形品金型を用いて、同一樹脂を成形条件のみを変化させたときの、成形収縮率の変化の実験例である。

図.L16直交成形条件における流動方向および直角方向の収縮率 □:流動方向 ■:直角方向


成形収縮率は、成形条件によって大きく変化し、また、同一の成形条件においても金型内を流れる樹脂の方向により変化する事がわかる。ここで、成形収縮率Sは、次式によって算出される。

                S =(L0-L)/L0 (1)


 ここでL0は、金型の加工寸法、Lはそれに対応する成形品における距離である。金型の加工寸法に対して成形収縮率が成形条件によっては4/1000の割合で変化することがわかる。これは、プラスチック成形品寸法で100mmのものが欲しいと場合に、成形条件によっては、±0.2mmの変化があることを示しており、精密な樹脂部品を獲る場合には成形収縮率の設定を誤ると、金型を作り替えるなどの多大な労力が必要となり注意が必要である。

 ここで、成形品の寸法のみの問題であれば成形条件で調整可能であると考えられるが、成形品の外観や生産安定性など他の要件を犠牲にする場合もあり安易な対応は控えるべきである。


〇成形収縮率の流動方向とそれに直交する方向の差(成形収縮率の異方性)


〇成形収縮率の成形品内分布


〇成形収縮率の成形品内分布と成形品の変形の関係


〇成形収縮率の成形条件依存性





〇成形収縮率の流動方向とそれに直交する方向の差(成形収縮率の異方性)

〇成形収縮率の成形品内分布

〇成形収縮率の成形品内分布と成形品の変形の関係

〇成形収縮率の成形条件依存性


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