ランナーロックピン(Zピン)とは?役割・選定ポイントとSG-WINDによる不良対策
- SANKO GOSEI
- 29 分前
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はじめに
射出成形金型には、一見すると目立たないものの、安定した成形を支える重要な部品が数多く使用されています。その一つがランナーロックピン(Zピン)です。

ランナーロックピンは、スプルーからランナーへ流れた樹脂を確実に保持し、型開き時に固定側から樹脂を引き抜くために欠かせない部品です。
普段はあまり注目されることのない部品ですが、適切な設計・選定が行われていない場合、成形サイクルの乱れやランナーの離型不良など、様々なトラブルの原因になります。
さらに近年では、このランナーロックピンを単なる「ランナー保持部品」としてではなく、金型内のガス対策にも活用する考え方が注目されています。
今回は、ランナーロックピン(Zピン)の基本から、SG-WINDピンへの置き換えによる不良改善効果まで詳しく解説します。
ランナーロックピン(Zピン)とは?
ランナーロックピンとは、固定側金型に設置される部品であり、樹脂が固化した後にランナーを保持する役割を持っています。

一般的にはピン先端にアンダーカット形状やテーパー形状が設けられており、樹脂がこの部分へ食い込むことでランナーが固定されます。
型開き時には、
スプルーブッシュからランナーを引き抜く
ランナーをCORE側へ保持する
安定した離型を実現する
という重要な役割を担っています。
もしランナーロックが十分に効いていない場合、
ランナーがCAV側へ残る
ランナーが途中で切れる
自動取出しができない
成形サイクルが停止する
といったトラブルが発生します。
そのため、自動成形ラインでは非常に重要な部品と言えます。
Zピンと呼ばれる理由
ランナーロックピンには様々な形状がありますが、その中でも先端がジグザグ状またはZ字状に加工されたものが「Zピン」と呼ばれています。

この特殊な形状によって、
樹脂との機械的な噛み込み
高い保持力
安定したランナーロック
を実現しています。
特にPPやPEなど収縮率が大きい材料では、高い保持力を発揮します。
ランナーロックピンに求められる性能
良好なランナーロックピンには次のような性能が求められます。
① 確実なランナー保持
ランナーが途中で抜けてしまうことなく、型開き時まで確実に保持できること。
② 離型性
保持力が強すぎても離型時にランナーが破損します。
保持力と離型性のバランスが重要です。
③ 耐摩耗性
毎ショット樹脂が接触するため、長期間使用しても摩耗しにくいことが求められます。
④ メンテナンス性
交換しやすく、再現性の高い部品であることも重要です。
ランナーロックピンをSG-WINDピンへ置き換えるという発想
射出成形では、高温・高速で樹脂が流れる際に様々なガスが発生します。
例えば、
樹脂中の揮発成分
添加剤
水分
分解ガス
空気
などです。
通常はパーティング面やガスベントから排出されますが、排気が十分でない場合にはガスが樹脂と金型の間で断熱圧縮され発火し成形品の一部に焼けた跡が残ってしまうヤケ不良が発生する要因にもなります。
排気が十分でない場合はガス抜き入れ子等を使って排気性能を上げる手段もありますが
もっと手軽に排気性能を上げる手段として
ランナーロックピンをSG-WINDピンへ置き換える方法があります。

SG-WINDピンは、本来ガス排気を目的として開発されたベントピンです。
ピン内部には微細な排気構造が設けられており、
ガスだけを効率良く排出しながら、
樹脂漏れは抑える構造となっています。
このSG-WINDピンをランナーロック部へ適用することで、
従来ランナーロック部を通過してキャビティへ流れていたガスを途中で排出できるようになります。

つまり、キャビティ内へガスが侵入する前に逃がすという考え方です。
不良低減への効果
実際には以下のような改善が期待できます。
・シルバー不良低減:40%以上の改善効果実績あり
・ガス焼け低減
・ショートショット改善:80%以上の改善効果実績あり
・ウェルド品質向上
・外観品質向上
・成形条件の安定化
さらにキャビティ内のガス量が減少することで、
金型内圧の安定にも寄与し、
成形条件のばらつき抑制にもつながります。
ランナーロックとガス対策を同時に実現
従来、ランナーロックピンは「ランナーを保持する部品」という位置付けでした。
しかしSG-WINDを使用すれば、
ランナー保持
だけではなく、
ガス排気
という新たな役割も追加できます。
つまり、一つの部品で二つの役割を果たせることになります。
これは既存金型の改造範囲を最小限に抑えながら品質改善を図れる点でも大きなメリットです。
まとめ
ランナーロックピン(Zピン)は、射出成形金型においてランナーを確実に保持するための重要な部品です。しかし、その周辺はガスの通り道となっているので、成形条件によってはキャビティ内へガスが流入し、不良の一因となることがあります。
SG-WINDピンへ置き換えることで、ランナーロック機能を維持しながらガスを効率的に排出できるため、シルバーやガス焼け・ショートなどの外観不良の低減が期待できます。特に高速充填や薄肉成形、ガスが発生しやすい材料を使用する成形では、その効果を発揮しやすいでしょう。
「ランナーを保持する」という従来の役割に加え、「ガスを制御する」という新しい価値を持たせることができるSG-WINDピンは、既存金型を大きく変更することなく品質向上を目指せる有効なソリューションです。
もし現在、シルバーやガス焼け、ウェルド不良などにお困りであれば、一度ランナーロック部に着目し、SG-WINDピンの活用を検討してみてはいかがでしょうか。これまで見落としていた改善ポイントが、不良低減への大きな一歩となるかもしれません。






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