私たちが製造するプラスチック成形品がどのようなプロセスで作られているのか?紹介していきたいと思います。
まずは、どのような製品・形状なのか、どのような用途で使われるものなのかを把握しなくてはなりません。更に使用する材料や生産数、生産拠点なども考慮しておく必要もあります
①製品形状の決定
まずはどのような製品形状であるかを決定します。近年では3DCADがありますのでPC画面上で回転させながら製品形状を把握することが出来ます。
今回は例として収縮測定用平板をモデルとしました。
関連記事→樹脂製品の成形収縮率
②プラスチック材料選定
プラスチック材料は色々な特性があり、電気特性、耐摩耗性、耐衝撃性、すべり特性、寸法安定性など用途に合わせた材料の選定を行います。剛性が必要となる場合はガラス繊維やタルクなどが混ざったものを使用することになるかと思います。
樹脂ペレットの画像(成形しやすいように粒状になっている)
ここで注意すべき点は材料の剛性等の物性が高い材料ほど成形時に金型へ与える影響
ダメージも大きいということです。つまり、金型のメンテナンス頻度が高くなるということです。ガラス繊維が入った材料で量産する場合は金型に焼入れを行ったものを使うことが多いです。
関連記事→成形材料の特徴と成形のポイント
③ゲート位置の決定
製品形状と使用する材料が決定すればその材料と製品形状の組み合わせで本当に成形品が成立するのかCAE上でシミュレーションを行います。主に流動解析ソフトを使用します。
もし、完全充填できなかったり射出圧が高すぎる場合はゲートの太さやレイアウトを変更して無理なく成形できるように調整します。
この一連の作業でゲート位置、ゲート太さだけでなく必要な型締めトン数など
使用する成形機の選定も行うことが出来ます。
もし、設計変更などで製品形状に僅かな変更が発生した場合でも再度流動解析を実施することを勧めます。
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次回:金型設計編に続く
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