「基準面」とは、機械加工や設計において重要な参照点となる面のことを指します。具体的には、部品や製品を正確に加工・組み立てる際に、寸法や位置を決めるための基準となる面です。この面を基に他の寸法や形状が決定されるため、設計や製造において非常に重要な役割を果たします。
基準面の役割
寸法基準: 部品の寸法を測る際、基準面を基に他の寸法を決めることで、正確な位置関係や加工が可能になります。
組み立て基準: 組み立て工程で、部品同士が正しく組み合わさるように基準面を設けて設計することで、製品全体の精度を保ちます。
射出成形における基準面
射出成形の金型設計でも、基準面は重要です。成形品の形状や精度を保つために、金型の基準面を決めておくことで、金型の位置決めや正確な製品寸法の管理がしやすくなります。
簡単に言えば、基準面は加工や組立の基礎となる「位置の基準点」を設定するための面です。
…と、基準面が重要なのは何となく理解は出来ますが、具体的にどういったものなのか?
イラストを用いて考えてみましょう。
ここにAさんとBさんがいます。二人とも同じ身長です。
BさんがAさんよりも高い土地に住んでいるとします。
この時、Aさんから見てBさんは30cm高い土地に住んでいるとも言えますし
Bさんから見てAさんは30cm低い土地に住んでいるとも言えます。
では文章だけで考えてみましょうか
Aさんから見てBさんは60cm高い土地に住んでいる。
Bさんから見てAさんは60cm低い土地に住んでいる。とあった場合、両者の住んでいる土地のイメージが付きますか?
こんな風にも考えられますし
こんな風にも考えられますが
これも正解です。
基準となる面が無い場合、お互いの位置関係だけではその土地の形状を把握することができません。これでは人によって受け取るイメージが異なってしまいます。
基準面は受け取るイメージを統一させるためにあるものと考えましょう。
例えば平均海水面である「海抜」という言葉を使用する。これは基準面に値します。
そして海抜〇〇cmという表現にするとその人が住む土地のイメージが付きやすくなります。
製造業において基準面が必要な理由は、加工や組み立て、測定の際に一貫性と精度を確保するために必要なのです。
Comments