プラスチックの外観に加飾性をもたせるためにメッキや真空蒸着といった処理が行われる。今回は3つの方法でプラスチックの加飾を持たせる方法を紹介する。
①メッキ
元々は、亜鉛ダイキャストなどの金属製品の表面に銅・ニッケル・クロムの三層メッキを
施して製品にメッキ特有の光沢を与え外観の美化を図るとともに腐食や汚れを防止して
きた。現在ではプラスチックの特性である軽量、低コスト、腐食しないなどの利点を生か
しダイキャストに代わりプラスチックを用いることが多くなっている。
これにダイキャスト同様の三層メッキを施している。基材の樹脂としてABS樹脂、POM等が
一般的に使われている。(図1)
②真空蒸着
プラスチックなどにアルミニウム、金、銀、銅などを乾式でメッキするのに用いられる。
得られるメッキ膜の厚さは1μ前後の極めて薄いものである。
元来、機能的に使用するには不十分な厚さであるので装飾目的に使われてきた。
しかし、電磁波シールドを目的として、同、ニッケルを主体とした蒸着膜が
多用されている。(図2)
③スパッタリング
(2~5)×10-2Torr(1Torr:760mmHg)の真空中(アルゴンガスなどを封入した真空容器)
に陰陽極を置き、両極間に1000~2000Vの高電圧を加えることによりグロー放電を誘起し
陰陽付近にメッキすべき成形品を置くと、その表面に飛散金属が沈積してメッキ層を
形成する。(表1にメッキ、真空蒸着、スパッタリングの比較を示す)
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