射出成形における「チョコ停」とは、短時間の停止や中断を指す俗語です。この言葉は、「ちょこっと停止」の略で、計画的ではない小さなトラブルや問題によって発生する一時的な生産ラインの停止を指します。チョコ停は通常、数分から数十分程度の短時間で終わることが多いですが、その頻度や内容によっては生産に大きな影響を与えることがあります。
チョコ停の原因
チョコ停の主な原因には、以下のようなものがあります:
金型の不具合:金型内の製品がうまく取り出せなかったり、金型の冷却ラインが詰まったりすること。
材料供給の問題:樹脂ペレットの供給が一時的に途切れる、または材料の流動性が不十分な場合。
機械の軽微なトラブル:センサーの誤作動や、機械部品の摩耗・破損などの小さなトラブル。
人為的ミス:オペレーターの設定ミスや段取り替えの際の不手際など。
チョコ停が起こることによるデメリット
チョコ停は短時間の停止であるものの、以下のようなデメリットがあります:
生産効率の低下: チョコ停が頻発すると、生産ライン全体の効率が低下します。停止と再起動には時間がかかるため、スムーズな生産フローが妨げられます。
品質のばらつき: 短時間の停止でも、射出成形のプロセスが中断されると、製品の品質にばらつきが出ることがあります。例えば、シリンダー内の樹脂滞留時間が変わることで寸法精度が変わったり、不良品が発生したりするリスクがあります。
コストの増加: チョコ停によって生産効率が下がると、その分コストが増加します。オペレーターの稼働時間、エネルギー消費、機械の摩耗などが増加し、結果的に生産コストが上昇します。
機械・金型への負担: 頻繁な停止と再起動は、射出成形機や金型に対しても負担がかかります。これにより、メンテナンスの頻度が増えたり、部品の寿命が短くなったりすることがあります。
チョコ停を最小限に抑えることは、生産ラインの効率向上やコスト削減、製品品質の安定に直結するため、非常に重要です。予防保全の徹底やオペレーターの教育、機械や金型の定期的なメンテナンスが、チョコ停の発生を防ぐために効果的な手段となります。
弊社では材料供給時にホース内に樹脂ペレットが詰まり、チョコ停する事例が複数件ありました。
その原因として、材料ホッパーと成形機を繋ぐホースを地に這わせていることでホース自体が長くなり、またホース自体の湾曲も多いため、材料が詰まりやすくなっていました。
(赤色で表示している線が原料ホッパーと成形を繋ぐホース)
そこで、壁の中間部にパイプを通し、地に這わせていたホースを浮かせるようにレイアウトを変更しました。
(オレンジで表示している線が改善後のホースのレイアウト)
これによりホースが湾曲する箇所が減るだけでなく、ホース自体の長さも短くなるので材料がホース内に詰まるケースを減らすことが出来ました。
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