インサートを金型内にセットし射出成形と同時に成形を行うインサート成形は
後工程を必要としないため、量産に必要不可欠な成形技術と言えます。
しかし、インサートを金型内へセットする機械やコーチングにコストがかかるため
生産数が少ない製品の場合は後工程でインサートを冷間圧入するケースもあります。
例えば下記の製品は4つのインサートカラーが冷間圧入されております。
この冷間圧入時に問題となるのは、インサートをセットする際に製品面がC面となっているのでインサートが傾いてセットされる可能性があることです。(安定してセットできない)
インサートが傾いたまま圧入されるとバリが多く出てしまったり割れ等が発生します。
そこで誘い込みピンを使った治具を作成しインサートカラーの中心が決まるようにしました。ピンはそのままですと圧入ヘッドと干渉してしまうので誘い込みピンの下にバネを仕込み、可動出来るようにしました。これによりインサートカラーの中心を保持したまま圧入が可能になります。
この治具の採用により20万台の量産でも圧入不良をゼロにすることができました。
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